この記事で分かること
- 消耗品管理の経験が、原価感覚にどうつながったか
- 設備保全の経験が、修繕費と資産の判断イメージにどうつながったか
- 現場の経験を、面接でどう経理の言葉に変換して伝えたか
結論|現場の経験は、経理の言葉に翻訳できる
私は高卒で工場に約8年勤め、設備保全を経験したあと、未経験でプライム上場企業の本社経理へ転職しました。
「現場」と「本社経理」の両方を経験している人は多くないと思います。
経理は数字を扱う仕事です。一見すると、工場での経験とは縁がなさそうに見えます。
しかし実際に働いてみると、現場で当たり前に見ていた光景が、経理の考え方とかなり結びついていることに気づきました。
例えば、私は次のように頭の中で変換していました。
| 現場で見ていたもの | 経理での見え方 |
|---|---|
| ボルト・刃物・梱包材の使用量 | 間接材料費 |
| 専用部品の投入 | 直接材料費 |
| 設備の部品交換 | 修繕費 |
| 設備能力を高める工事 | 資本的支出(固定資産) |
| 工程停止・段取り替え | 業務フロー・原価分析の背景 |
この記事では、その「翻訳」の中身を、実体験ベースで具体的に紹介します。
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消耗品管理の経験が、原価感覚につながった
製造現場では、製品を加工し、組み立て、出荷するまでの間にさまざまな消耗品を使います。
- ボルト
- カッターの刃
- 梱包材
- 工具
- テープ類
経理の視点で見ると、これらの多くは間接材料費です。
特定の製品だけに使われるのではなく、複数の製品にまたがって消費されるコストだからです。
一方で、その製品専用の特殊部品は直接材料費として扱われます。
現場にいると「減り方」が見える
現場では、
- 刃物を落として折ってしまう
- 梱包材を多く使う人と少ない人がいる
- 工具の管理状態で消耗速度が変わる
といったロスが目に見えます。
本社で数字だけを見ていると、
「今月なぜ消耗品費が増えたのか」
が分からないことがあります。
私は現場でその増え方を見てきたので、
「この数字の裏で、どんな作業が起きていたのか」
を想像しながら数字を見ることができました。
この感覚は、工場経験者ならではの強みだと思っています。
設備保全の経験が、修繕費と資産の判断イメージにつながった
設備保全では、
- 日常点検
- 故障対応
- 工事計画
- 業者との打ち合わせ
- 工事立ち会い
など、設備に関わる幅広い業務を担当します。
経理へ転職して驚いたのは、こうした業務がそのまま固定資産の世界につながっていたことです。
修繕費か、資本的支出か
経理では、
- 元の状態に戻す → 修繕費
- 性能向上・耐用年数延長 → 資本的支出
という判断をします。
請求書だけを見ると、
「なぜこんなに高いのか」
「どこまでが今回の工事範囲なのか」
が分かりにくいことがあります。
私は実際に現場で工事の立ち会いや設備点検をしていたため、
- 部品交換だけなのか
- 制御盤ごと更新したのか
- 配管ルートまで変更したのか
をイメージしながら数字を見ることができました。
これは、現場経験がない経理担当者には持ちにくい感覚だと思っています。
設備保全で身についた「動きを言語化する力」
設備保全では、人間が行っている作業を機械の動きとして分解して考える場面が多くあります。
例えば、製品を切断する設備が一瞬停止する工程。
人間なら、
- 製品の向きを整える
- 固定する
- 切断する
という動作を無意識に行います。
機械で同じことを実現するには、固定しやすい状態を作るために一瞬停止させる必要があります。
つまり、
「なぜその動きが必要なのか」
を言葉で説明できなければ、設備を理解できません。
この経験を通じて、
- 作業を分解する
- 流れを整理する
- 背景を説明する
力が身につきました。
経理でも、
- なぜこの仕訳が必要か
- なぜこの費用が発生したか
- どの業務フローで発生したか
を関係者へ説明する場面が多く、この力がそのまま活きています。
面接では、こう伝えていました
面接で工場・設備保全の経験を話すとき、私は「作業をしていた人」ではなく、「現場を理解している人」として伝えることを意識していました。
実際には、次のような一言を入れていました。
「請求書の数字だけでなく、現場でどんな作業が行われていたかまでイメージしながら経理処理ができます。」
この一言を入れると、
- 現場理解
- コスト感覚
- 経理視点
を同時に伝えられます。
詳しい面接での組み立て方は別記事でまとめていますが、この一言だけでも面接官の反応はかなり変わりました。
工場経験者が経理へ転職するときに、履歴書で意識したこと
履歴書や職務経歴書では、「工場勤務」とだけ書かないようにしていました。
私が意識していたポイント
- コスト管理
- 改善活動
- 設備工事立ち会い
- 部品・消耗品管理
- トラブル原因分析
など、管理・改善・調整の視点で業務を言語化しました。
また、
- 担当設備数
- 改善件数
- コスト削減効果
など、数字で表せる実績があれば積極的に入れていました。
「作業者」ではなく、「改善や管理に関わっていた人」として伝えることを意識すると、経理との接点が見えやすくなります。
まとめ|現場の経験は、経理の仕事でも武器になる
工場や設備保全の経験は、一見すると経理とは畑違いに見えます。
しかし実際には、
- 消耗品管理 → 原価感覚
- 設備保全 → 固定資産の判断イメージ
- 工程理解 → 業務フロー分析
という形で、十分に経理へ翻訳できます。
もし今、
「現場経験しかないから事務職は無理かも」
と感じているなら、一度、自分の仕事を数字の言葉に置き換えてみてください。
思っている以上に、経理へつながる経験が見つかるはずです。
また、工場経験を経理向けにどう言い換えたか、履歴書・職務経歴書・面接回答の実例については、実際に内定を獲得した内容をもとに別途まとめています。
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